イノシトール│一般社団法人クレディホールディングス

イノシトール

イノシトールとは 糖アルコールの一種です。生体内でグルコース(ブドウ糖)から生合成され、動物の体内では細胞膜に多く含まれています。植物では穀物の糠や豆に多く含まれており、白色の粉末で、臭いはなく、後味のないすっきりした甘みを持っています。
体内に取り入れるもの。
だから私たちは、最も安全で栄養価の高い米ぬかから抽出した植物性イノシトールを使用することにしました。

イノシトールの製造工程図

脂肪肝とイノシトール

脂肪肝臓を防ぐイノシトールの実力とは

イノシトールは、別名「抗脂肪肝ビタミン」と呼ばれています。
イノシトールには、肝臓に余分な脂肪が蓄積しない様、脂肪合成を抑制する働きが有り、 肝臓の機能を良くしてLDLコレステロールを低下させる作用が確認されています。
肝臓の脂肪沈着を抑え、肝機能を正常にもどす作用のあるイノシトールは、 アルコール量が多い人や、LDLコレステロールの数字が気になる人にとって、お薦めの 栄養素だと言えます。

肝臓を良くするイノシトール

普段の食事から吸収する蛋白質やビタミンなどの栄養素ですが、身体がそのまま利用することはできません。 これらの栄養素は全て一度肝臓に運ばれて分解されてから、人間に必要な物質に再合成されます。 したがって、肝臓の機能が衰えると、必要な成分が合成できず、私たちの体は様々な不調を訴えてきます。
肝臓の健康を保つことは、健やかな生活を送る上でとても大切なことです。

中性脂肪とイノシトール

ダイエットにも効果!イノシトールの作用とは

イノシトールは脂肪肝と高コレステロール血症を改善する働きをもつビタミンB様物質で、 脂質代謝に作用する性質をもつことから、脂肪肝の予防に効果的だと考えられています。
イノシトールを摂取しておくと、脂肪合成の過程で、中性脂肪の代わりにイノシトールリン脂質が 作られるため、中性脂肪は作られにくくなるのです。

中性脂肪が肝臓にたまったら

中性脂肪が皮下組織や内臓に溜まった状態が「肥満」ですが、中性脂肪が肝臓に溜まった状態が「脂肪肝」です。
脂肪肝の場合、自覚症状も感じないため早期に発見することが難しく、非常に厄介です。 日本国民の3人に1人が潜在的に脂肪肝の恐れが有ると指摘されていますので、ご自身生活習慣を振り返って、健康診断の時に相談されることをお薦めします。
イノシトールには、肝臓に余分な中性脂肪が溜まらないようにコントロールする性質があるため、脂肪肝を予防する効果が期待できます。

抜け毛とイノシトール

イノシトールが不足すると抜け毛が増える

イノシトールは、抜け毛対策に効果があるとされています。
世の中には、抜け毛予防や発毛に効果があると言われるシャンプーが沢山売られていますが、FDAが発毛と育毛に効果が有ると認めた成分はミノキシジルとフィナステリド程度しかありません。
さて、肝心のイノシトールの脱毛予防効果についてですが、イノシトールには、神経細胞の機能を正常に保ち、それらの細胞に栄養を届ける働きが有ると考えられています。したがって、イノシトールが不足した場合、頭皮の細胞に栄養が届けられなくなるため、抜け毛が増えてしまうのです。
イノシトールの摂取を意図的に遮断したラットを使った実験では、脱毛が顕著に認められたとの報告されていることも、その根拠とされています。こうした事から、イノシトールは抜け毛など頭皮のトラブルを予防してくれるものと考えられています。

糖尿病性神経障害とイノシトール

血糖値改善にも重要な役割を果たすイノシトール

イノシトールには、10種類の仲間(異性体)が存在しています。
特に、糖尿病と関連して重要なイノシトール異性体は、ミオイノシトール、ピニトール、 カイロイノシトールの3種類です。一般的にイノシトールと呼ぶ場合は、ミオイノシトールの事を指しています。
イノシトールはグルコース同様に糸球体より排泄され、尿細管で再吸収される性質を持っていますが、尿細管におけるイノシトールの再吸収はグルコースと競合してしまうので、高血糖で尿糖が存在する場合は、グルコースとの再吸収に負けて体外へ排出されてしまいます。 その結果、体内でイノシトール欠乏が発生し、神経伝達経に悪影響を及ぼすと考えられています。

ポリオール代謝異常でイノシトール不足が顕著

糖尿病ではポリオール代謝異常によるソルビトールの蓄積によって、神経組織のイノシトールが欠乏することが報告されています。 高血糖状態は、慢性的なイノシトール不足を発生させやすく、結果、糖尿病性神経障害の罹患リスクが上昇すると考えられているのです。
食事療法や運動療法によって高血糖を是正することに加え、イノシトールを摂取することでポリオール代謝異常を改善することができます。
代謝異常が改善されると、神経組織でのイノシトール含量が正常化しますが、イノシトールを追加的に摂取することで糖尿病性神経障害のリスクを軽減することが大切です。
健康な場合、イノシトールの必要摂取量は250mg~500mgとされていますが、糖尿病の可能性がある場合は、その倍量以上を摂取する事が推奨されます。
イノシトールは、甘味をもつ成分ですが、砂糖と異なり体内でタンパク質と反応しないため、血糖値が気になる場合でも安心して摂取することができます。

糖尿病性神経障害とは

糖尿病性神経障害とイノシトール

イノシトールは、既にお伝えしている通り神経細胞内に存在し、情報伝達物質として機能しています。また、高血糖状態では、尿管細胞からのイノシトール再取り込みが阻害され、イノシトール欠乏が発生していることも説明しました。
糖尿病性神経症の成因仮説として最も有力な説が、ポリオール代謝異常によるソルビトールの蓄積です。体内でソルビトールが蓄積されると、細胞浮腫が発生し、これが神経痛を引き起こします。またソルビトールは、イノシトールの取り込みを阻害しますので、体内では、顕著なイノシトール欠乏も同時に進行します。

インスリンメッセンジャーとして機能するイノシトール

インスリンが細胞膜の受容体に結合すると、細胞膜を構成します。 ホスファチジルイノシトールグリカンが加水分解され、イノシトール3リン酸(IP3)が発生します。
  イノシトール3リン酸(IP3)は、インスリン代謝のメッセンジャーとして機能していますが、生体内でイノシトールが不足すると、この代謝サイクルが上手く機能できません。
糖尿病の場合、グルコースと再吸収競合を起こしてイノシトールが吸収されず、体内でイノシトール不足がおきていますから、イノシトール欠乏を理由に糖尿病がますます進行してしまいます。

パニック障害とサプリメント|イノシトールの効果

パニック障害とイノシトールの関係

イノシトールは、セロトニン代謝異常に原因をもったパニック障害や強迫性障害に有効とされており、発作頻度とその程度を軽減する効果が有ると報告されています。
イノシトールは、細胞膜上に存在する神経情報伝達を司る物質の一つで、パニック障害や強迫性障害/OCDの改善に必要なイノシトールの服用量としては、およそ12g~18g/日と報告されている様です。ただし、この目安量は、海外における臨床試験データのため、医師の指導がない場合は少量から始めた方が良いと思われます。
  イノシトールは、ショ糖の半分程度の甘味をもっていますが、糖アルコールという分類に属することから、タンパク質と反応しないため、砂糖などの糖質とは異なって、体重が増えてしまう心配はありません。
 ヨーグルトやホットミルク、コーヒーなどに溶かして飲む場合は、2~3回程度に分けることが多い様です。また、料理にふりかけて使用するのも効果的です。ただし、海外製によくあるフィチン酸(IP6)タイプのものは、ミネラルとキレート効果を起こして緩下(お腹をくだす)する場合が有りますので、料理に混ぜる場合は、フィチン酸タイプ(IP6)でないものが良いでしょう。

パニック障害とは

ある日突然、何の前触れもなく突然激しい動悸や呼吸困難、冷汗をともなった症状がおこるのがパニック障害です。
  街を歩いていたら、突然不安な気分になってしまう。また、電車に乗っていたら突然気持ちが悪くなってしまうといった症状であれば、広場恐怖症と診断されるケースもあります。パニック障害の場合、受診科目によっては原因不明の病や不定愁訴と言われる場合もありますが、これは脳神経系の疾患ですから、脳神経外科あるいは精神科医の診察を受けなければなりません。

【パニック障害の具体的発作】

激しい動悸/呼吸困難/異様な発汗/体の震え/眩暈/胸の不快感/冷感または熱感/恐怖感/窒息感

イノシトールと多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

PCOSに効果が確認されているイノシトール

イノシトールが多嚢胞性卵巣症候群の改善に効果を発揮すると言われ、海外でたいへん注目されています。 多嚢胞性卵巣症候群は、生活習慣など何らかの後天的要因によって、卵巣内のホルモンバランスが乱れることで発症する排卵障害です。

インスリン感受性を高めるイノシトール

イノシトールは、脂肪肝を抑制したり、インスリン感受性を高める成分として知られていますが、卵巣内においては、プロゲステロンの増加や、排卵率の向上といった作用をもたらします。
 特に、多嚢胞性卵巣症候群の場合、卵巣内でインスリン抵抗性をもつ場合が多く、卵巣でのインスリン感受性を高めることが改善の糸口になりますが、イノシトールの摂取によって、この症状が改善するケースが臨床例で多数報告されています。
海外の論文によると、多嚢胞性卵巣症候群の改善には毎日4gのイノシトール摂取が推奨されています。

イノシトールの摂取量一覧

イノシトールの摂取量一覧

通常目安(健康維持) 250㎎~500㎎
肝機能障害 500㎎~2000㎎
糖尿病性神経症 500㎎~2000㎎
抜け毛予防 500㎎~2000㎎
パニック障害 12g~18g
強迫性障害 12g~18g
うつ病 12g
 

イノシトールの副作用

イノシトールは副作用のないビタミン様物質です

イノシトールは、ビタミンCと同じで水溶性のビタミン様物質です。したがって過剰に摂取したからといって、体に蓄積されることは有りません。
 ビタミンAやビタミンEの様な脂溶性ビタミンは、体への蓄積から副作用が心配されますが、イノシトールは水溶性ですから、体に蓄積されることはなく、不要なものは全て体外へ排出されるため副作用の心配が有りません。しかしながら、大量に取りすぎると、目まいや頭痛、吐き気などの症状が現れますので、必要以上に大量摂取するのは控えた方が良いでしょう。

ミネラルの吸収効率も高まります

カルシウムの吸収率が落ちるなどと誤った理解をされる方がいらっしゃいますが、それはおそらく、フィチン酸(IP6)と混同されている様です。フィチン酸(IP6)タイプのイノシトールは、カルシウムなどミネラルの吸収を妨げる性質をもっています。
イノシトールをフィチン酸(IP6)の形態で摂取した場合ですが、そのキレート作用により、カルシウムなどのミネラル吸収が阻害され、お腹をこわすことが確認されています。やはり、IP6タイプではない日本製のイノシトールが安心できて良いでしょう。